うさん村の物語

うさん村の旅行記:⑩「サラバ!うさん村」編

 

 

 

 

シタ・タカ:「ヒャッホー!!夜黒龍よ、村を破壊して村民どもを踏み潰せ!!」

 

 

村民:「やばい!!こっちへ来るぞ、逃げろ!」

 

ドシンッ

 

村民:「キャー!助けて!!」

 

 

ヒノキダ・ゲンコク:「何と言うことだ!!ホウくん、ヨウさん!皆を安全なところに避難させなさい!!ワシはあの巨大力士と一戦交えてくるわい!!」

 

ヨウ・レイ:「承知しました」

ホウ・マン:「ヒノキダ先生!どうか、ご無事で…」

 

シタ・タカ:「ヒャッヒャッヒャ!恐れおののけ、テメェらに生きるという選択肢はもうねぇんだよ!!そうだ、我が永遠のライバルはどこだ?メザメノ・アカシは何処にいる!!」

 

いつもタツオ:「アカシ…。どうやらシタ・タカはお主のことを探しているようじゃぞ。随分と執念深い奴に好かれたもんじゃな」

 

メザメノ・アカシ:「…。この状況で最も生存者を残す方法は何だ。ダメだ…浮かばない」

 

ドシンッドシンッ

 

村民達:「こんどはこっちに向かって来たぞ!!逃げろ!」

隠れカマシタン:「あんなの反則だろ!!逃げろ!」

 

メザメノ・アカシ:「まさか、夜黒龍がここまでの力を手に入れていたとは。これだけ圧倒的な力では、どう足掻いてもこの村が助かる術はなさそうだ…ジロー、どう思う?」

 

ナメック・ジロー:「今回ばかりは、打つ手無しです。最終的な手段を取るべきでしょう、迷っている暇も無さそうです」

 

 

メザメノ・アカシ:「タツオ先生…。貴方しか頼める人はいなそうだ。これは2択です。シタ・タカの目的の1つに私を苦しめることもある筈です。私がおとりになって時間を稼ぎますので、人口知能『で〜ぶランニング』のリセットをお願いします。前にも話しましたが、リセットすると大爆発が起きます。このまま全ての村民が夜黒龍に踏み潰されてしまうのか、爆発覚悟で先生が『で〜ぶランニング』をリセットして下さるのかは…先生に委ねます。無責任な事を言って申し訳ない…」

 

いつもタツオ:「えっ!?マジ?」

 

メザメノ・アカシ:「残念ながら、マジです…これを渡しておきましょう。リセットに必要なマイクロチップです。『で〜ぶランニング』の割れ目の中心部に差し込んで下さい。時間がない!賢明なご判断を、では!!」

 

いつもタツオ:「マジ!?皆の衆、聞いたか?サラッと凄いこと言ったよね」

 

 

ドシンッドシンッ

ナメック・ジロー:「ひとまず、『で〜ぶランニング』の本体があるバナナ社の地下に向かいましょう!マイクロチップまで取られてしまえば、もうこの村を救う手立ては有りません。向かいながら良い方法を考えますから、とにかく急ぎましょう」

イチモツ・コタロー:「でも、タツオ先生ごと吹っ飛んじゃうんだろ?良いのかそれで」

シメノ・ダイフク:「先生、無理することないよ!先生が『で〜ぶランニング』のリセットをしなくたって、皆んなが夜黒龍に踏み潰されて苦しみながら生き絶えるだけだから問題ないよ!」

ユカノ・モプコ:「ダイフク、おめぇ煽ってどうすっだ!!全然はげましになってねぇぞ」

ウマミ・スー:「ここにいても生き延びる確率はゼロよ!行きましょう!!」

 

いつもタツオ:「はぁぁぁ、最悪な状況じゃ…いざとなったら逃げ出しちゃお…」

 

ドシンッドシンッ

 

 

 

メザメノ・アカシ:「シタ・タカ!私を探しているんだろう?ここにいるぞ!!」

 

 

シタ・タカ:「おっ、早速お出ましか。やけに潔いじゃねぇか!お前は賢いから、この圧倒的な力を前に自分の無力さに気が付いたんだろ?」

 

ドシンッドシンッドシンッ

すぐにスワル:「まずいな、アカシを守れ!」

隠者ども:「オォー!!」

ヒノキダ・ゲンコク:「スワル殿!さっきから足の急所を突いて攻撃しているのだが、サッパリ効かんのじゃ!夜黒龍の弱点が全く見当たらない!!」

 

すぐにスワル:「ゲンコク先生、夜黒龍は元々コンピューターウィルスの一種じゃ。強いて言うならば、あの人口知能『で〜ぶランニング』が稼働している間は不死身じゃよ…。肩に乗っているシタ・タカを倒すしか方法は無いじゃろう!」

 

隠者ども:「スワル!ダメだ、蹴っても殴ってもビクともしない」

 

メザメノ・アカシ:「ぐわぁー!!」

シタ・タカ:「ヒャッヒャッヒャ!ざまぁ〜みろ!!遂に捕まえたぞ」

超大型 夜黒龍:「ガッハッハッハ」

メザメノ・アカシ:「シタ・タカ!お前は何故こんな事をするんだ!村を支配してどうする気なんだ。グフゥッ!」

 

ヒノキダ・ゲンコク:「!!  し、しまった!」

シタ・タカ:「なぜって…。気に喰わねぇからだ!テメェを天才と持てはやす村民どもが、許せねぇんだよ!」

メザメノ・アカシ:「そ、そんな理由でこんな大それた事をしたのか!」

シタ・タカ:「おい、お前。覚えているか?少年時代の事を。村で年に一度行われている『暗算boys選手権』で9年連続優勝だった俺は村民達から『天才』、『村の宝』と期待されていたんだ!なのに10年目で彗星の如く現れたお前に、決勝戦で圧倒的速さで完敗した。村民達は、それまで俺に掛けていた期待を嘘のように、手のひらを返しやがった!俺が何をやっても『アカシの2番煎じ』、『永遠の2番手』と揶揄されたさ!この苦しみがお前には分からないだろう!!」

メザメノ・アカシ:「なんて独りよがりな奴め!お前は嫉妬にまみれているのがお似合いだ!」

シタ・タカ:「夜黒龍!締めろ」

 

メザメノ・アカシ:「ぎゃぁぁぁ」

シタ・タカ:「お前に消えてもらうのは、愚かな村民どもを皆殺しにしてからだ!お前の故郷が恩師達が苦しみながら踏みつけられていくのを見るのは、さぞかし心苦しいだろう!ヒャッヒャッヒャ!!!」

 

 

 

 

※一方、タツオ達はバナナ社に到着していた

いつもタツオ:「商業地域は見るも無惨なことになっとるのぉ。人っ子一人おらん、もぬけの殻じゃ。煙の臭いで鼻がもげそうじゃな」

ナメック・ジロー:「リセットするかはさておき、ひとまず『で〜ぶランニング』の位置だけは特定しておきたい。ここからは手分けして動こう。万が一、リセットした時に備えて、スーとモプコは商業地域にまだ人が残っていないか確認してくれ、爆風に巻き込まれてしまう」

いつもタツオ:「ねぇ、マジで吾輩がやらなきゃダメなの?」

ナメック・ジロー:「先生、万が一の話です。それに、アカシさんも言っていましたが、選択は先生に委ねられている…。正解なんてありませんよ、備えあれば憂いなしです。下準備だけはしておきましょう」

イチモツ・コタロー:「ジロー、時々お前の冷静さが非情に感じる時があるわ…。まっでもジローの言う通りだな、先生がどんな選択をしようが俺に取って先生は先生のままだぜ」

シメノ・ダイフク:「そうですよ!たとえ先生がリセットせずに村民達が車に轢かれた蛙のようにペシャンコで無惨な骸を晒したとしても、誰も先生を恨まないよ!!」

ユカノ・モプコ:「ダイフク、おめぇワザと言ってるだろ!ジローよりダイフク、おめぇの方がサイコパスだ!」

ウマミ・スー:「時間がない!先生ならきっと良い選択をするはずよ!モプコ、行くわよ!」

 

 

 

 

 

※一方、超大型 夜黒龍は

メザメノ・アカシ:「クッ!しかし何故 夜黒龍は、ここまでの力を手に入れることが出来たんだ!」

シタ・タカ:「お前の作り上げた『で〜ぶランニング』の中には純粋無垢な力士達が懸命に働いていた。夜黒龍は内部に潜入し、約3億匹の力士型因子を吸収した。いわばこの超大型 夜黒龍は、お前が作り出した力士型因子の塊だ。おい、自分で自分の首を絞めるのは、どんな気持ちだ?」

メザメノ・アカシ:「このイカレポンチめ!」

シタ・タカ:「嗚呼、もっと苦しめ!ところでさっきお前のいた場所から、あの うさん臭いタツオ学院?の院長と生徒が商業地域の方向に向かって走って行っただろ?お前、何を指示したんだ!吐け!」

メザメノ・アカシ;「ぎゃぁぁぁ、くたばっても言うものか…」

シタ・タカ:「ま、まさか『で〜ぶランニング』の本体に何かする気か!夜黒龍!バナナ社に向かえ!」

すぐにスワル:「まずい、夜黒龍が進行を始めた!商業地域に近づけてはならん!しかし、ワシらだけでは手に負えんか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

上杉雲双:「すぐにスワルよ、手を貸すぞ!このデカ物を足止めすれば良いのだな。者共!続け!!」

元討伐軍:「ワァーワァー!!」

 

 

ペイン・ポスギ:「上杉なんかじゃ使い物にならないぜ!このオレ様に任せろ!!」

 

 

 

カマクサ・ムシロー:「チッ、今回ばかりは俺達も手を貸すぜ!」

 

ヤミノ・ペイメイ:「ワラワ達もやるぞよ!呪術の準備じゃ!カシマシカシマシ…」

 

 

チェリー・サワタ:「hey!!get out,   f○○ker!!!」

 

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-ナレーション-

うさん村、いや「うさん島」に住む勇士達が、シタ・タカと夜黒龍に立ち向かう。ますますタツオの選択によって、全てが決まりそうな様相を見せている。果たしてタツオは『で〜ぶランニング』をリセットするのだろうか…。

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シタ・タカ:「チッ!雑魚どもがまとわりつきやがって、夜黒龍!蹴散らせ!!」

 

うさん島の勇士たち:「ワァーワァー!」

上杉雲双:「なんじゃこのデカ物は!我が槍を見舞ってもビクともせんわ!」

カマクサ・ムシロー:「こいつは一体なにで出来てやがるんだ!これでは歯が立たないぞ!」

すぐにスワル:「やはり、この超大型 夜黒龍は不死身じゃ!肩に乗っているシタ・タカに狙いを定めるんじゃ!」

ヒノキダ・ゲンコク:「しかし、どうやってあんなに高いところを攻撃すれば良いのやら…」

ペイン・ポスギ:「クックック!オレ様に任せな!ひとり連携術、『シャドー・ぶりテン』!!」

ペイン・ポスギ:「届かねぇか!もっと、もっと高くだ!」

シタ・タカ:「夜黒龍よ、バカを振り払え!」

バシッ

ペイン・ポスギたち:「グワァー!」

ドテッ

ペイン・ポスギ:「イッテェー!」

 

 

 

 

 

 

 

※一方、商業地域に向かったタツオ達は

ナメック・ジロー:「バナナ社の1階はガレキに埋もれて訳がわからないな、どこかに地下に繋がる通路がある筈だが…」

いつもタツオ:「地下通路が見つからなければ『で〜ぶランニング』には辿りつけんわい。玉砕覚悟で我らも夜黒龍に立ち向かうか!」(っと、言っておいて何処かのタイミングで逃げ出そうっと)

シメノ・ダイフク:「あれ?誰かいるよ!」

イチモツ・コタロー:「あれは、カケヨ社長のポンコツ旦那じゃないか?」

マルコス・ボーロ:「うー!!ゲームの電源が入らないヨ!!『大乱行ふんどしブラザーズ』の続きをやらなくちゃ、プロゲーマーに成れないヨ!」

イチモツ・コタロー:「コイツ、本物のバカなんじゃねぇか」

ナメック・ジロー:「マルコスさん、そういえばメザメノ・アカシさんが、そのゲームの新しい裏技を編み出したと言っていましたよ」

マルコス・ボーロ:「えええ!なにそれー!教えて教えて、何処でどうやるの?」

ナメック・ジロー:「以前アカシさんと遭遇したという地下室の入り口を教えて頂けませんでしょうか?」

マルコス・ボーロ:「ああ、アソコね。分かった!ついておいでヨ」

イチモツ・コタロー:「ジロー、お前は…。直ぐに人を手のひらで転がすなぁ」

マルコス・ボーロ:「ここだヨ!ガレキに埋もれて隠れちゃってるけど、間違い無いよ」

ナメック・ジロー:「有難うございます。マルコスさん、この後このバナナ社は大爆発が起こります。新しい裏技を知りたいでしょ?プロゲーマーになる夢を諦めたくなければ、急いで商業地域から離れて下さい」

マルコス・ボーロ:「だ、大爆発!!ヒェー!ヤダ、死にたくないヨ。プロゲーマーに成りたいヨォ!!!」

タッタッタッタ(マルコス走り去る)

 

 

 

 

 

 

 

いつもタツオ:「やっと見つかったのぉ!まだまだ希望を捨ててはならんぞ」(マルコスのおバカ!余計なことをしおって!!あぁどうしよう…)

シメノ・ダイフク:「わぁ、中は薄暗いね。入りたく無いなぁ。あっタツオ先生は外の空気を吸うのがこれで最後になりますものね。どうりでさっきから静かだと思った」

イチモツ・コタロー:「ダイフク!お前は鬼か!!余計なこと言うなよ!」

ナメック・ジロー:「タツオ先生、我々もなるべく『で〜ぶランニング』の近くまで御一緒します。どの様な決断をされても構いませんし、正解はありません。覚悟が決まったら教えて下さい」

 

いつもタツオ:「あ、ああ」(ヤバイ!逃げるなら今か!よし逃げよう)

 

 

ガタッ

「ん?」

 

 

ドドドドドッ

 

 

いつもタツオ:「えぇぇぇ!!嘘でしょ!運が悪すぎじゃ、まさかガレキが崩れて吾輩だけ中に入ってしまった!おい、ジロー!!出してくれ、助けて!助けて!」

イチモツ・コタロー:「先生ひとりで行っちゃった!」

ナメック・ジロー:「先生は、我々のことを気遣ってくれたのかも知れないな」

シメノ・ダイフク:「なんか中から声がしない?良く聞こえないけど…早く逃げてくれって言っている様な」

ナメック・ジロー:「流石はタツオ先生だ、覚悟の磨き方が違う。自ら退路を断ち、僕らが後悔を残さない様に入り口を塞ぐなんて…。並みの人間には出来ないよ。行こう、ありがとうございます。先生…」

いつもタツオ:「嗚呼!神も仏も無き世かな…。吾輩ひとり残して皆んな逃げてしまったわ!なんと不義理な輩じゃ」

(いや、待てよ。ここでほとぼりが冷めるまで身を潜めて…夜黒龍が暴れ尽くした頃合いを見計らって自力で脱出できれば…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生き残れる!!」

 

 

 

 

※その頃、うさん商業地域の外れでは

ウマミ・スー:「もう、この商業地域に残っている人はいなそうね…誰かいませんか?いたら早く逃げて!!もうじきこの辺りは爆発するわよ!」

ユカノ・モプコ:「スー!!あの建物の陰に人がいらぁ!ちょっと!そこのアンタら逃げねぇとやべぇっぞ!」

ヤミ陰陽師の女:「キャー!見つかってしまったわ!どうか…このことは秘密にして下さい。もうおしまいだわ…あぁ愛しのホミオ♡」

経済人の男:「僕たちお付き合いしているんです。まさか、彼女の民族が我々経済人を襲うなんて…おぉチュリエット♡」

イチャイチャ

 

ウマミ・スー:「もうその戦いなら終わったわよ!今それよりもヤバイことになってるの、説明している暇は無いわ!早く逃げないと夜黒龍に踏まれるか、爆発に巻き込まれる!!」

ヤミノ・ウマコ:「スー!ウチの民族の子がいなくなったと思ったら…こんなところに。皆んな早く逃げて、夜黒龍がバナナ社に向かって進み始めたわ!こっちよ、付いてきて!」

ウマミ・スー:「ウマコさん!無事で良かったわ。さっ、あなた達も急ぎましょう」

かつのカケヨ:「皆んな!こっちこっち。また夜黒龍が動き出したわ!うさん島に住む武人達が必死で戦っているけど…。手に負えないみたいね」

ユカノ・モプコ:「もはや、タツオ先生が『で〜ぶランニング』をリセットするしか皆んなが生き残る方法はねぇな」

かつのカケヨ:「えっ?どういうこと?」

ウマミ・スー:「実は、カクカクシカジカで…。そのマイクロチップをアカシさんからタツオ先生が預かったんです」

かつのカケヨ:「タツオちゃんも大変な選択を迫られたわね…。しかし間に合うかしら?あの辺りはさっきの戦いでガレキの山が散乱しているわ、地下通路の入り口が塞がっていなければ良いけれど…」

 

タッタッタ

シメノ・ダイフク:「良かった、皆んないた!!」

イチモツ・コタロー:「これで、商業地域から完全に人はいなくなったな!」

ユカノ・モプコ:「タツオ先生は?」

ナメック・ジロー:「…。先生は重要な決断をされた様だ。自ら地下通路に踏み込んだ直後に、入り口を封鎖して我々がついて来れない様にした。自らの退路を断つ目的もあったのだろう…」

イチモツ・コタロー:「俺はその瞬間の先生の背中を忘れない!まさに命を懸けた英雄の背中だったぜ!!」

シメノ・ダイフク:「オイラも涙が止まらないぜ!」

ユカノ・モプコ:「ダイフク、おめぇそんな喋り方じゃねぇだろ。この期に及んで ふざけやがって」

ウマミ・スー:「タツオ先生…。健闘を祈るわ」

 

 

 

 

※一方、超大型夜黒龍は

ヒノキダ・ゲンコク:「ダメじゃ!もはやこれまでか…」

 

カマクサ・ムシロー:「ペイメイ!どうだ?呪術は掛かりそうか」

ヤミノ・ペイメイ:「ダメじゃな…。夜黒龍は人間では無いから、そもそも術が掛からない。シタ・タカにも試みたのじゃが、あやつの邪気はワラワの念力にも勝る強烈な邪気じゃ。あれでは呪術が跳ね返されてしまうわ…」

 

ペイン・ポスギ:「おい女!オレ様を強くする術を持ってねぇか?もしくはアイツと同じくらいのサイズになる術とかねぇのか!」

ヤミノ・ペイメイ:「巨大化させる呪術はあるにはある。時間が3分間ほどした持たないがな、一度だけヤマタノオロチ退治の時に使ったことがあったのぉ。しかし、この術が掛かる人間は知能指数が著しく低いことが条件じゃ。理由は何故だか知らんがな」

すぐにスワル:「では間違いなくポスギじゃろ!」

ペイン・ポスギ:「んな訳ねぇだろ!!う、上杉だ!上杉は知能が低い」

上杉雲双:「ポスギ!貴様に言われたくは無い!バカでうさん警察署の署長が務まるか!」

ヤミノ・ペイメイ:「う〜む。ザッと見たところ、この中には居らんなぁ」

ペイン・ポスギ:「ほらな!言ったろ!」

 

 

 

 

 

 

 

声:「ヒェ〜!助けてぇ!」

マルコス・ボーロ:「ヒェ〜!爆発するヨォ!」

一同:「いた!!!!!!!」

カマクサ・ムシロー:「よし、お前そこに座れ!」

マルコス・ボーロ:「? なにするんだヨ!」

ヒノキダ・ゲンコク:「どうじゃ、術は掛かりそうか!」

ヤミノ・ペイメイ:「カシマシカシマシ…。うむ、滅多にいないものなんじゃが…。間違いなく、この男は術が掛かる!じゃが、もう1つの条件として巨大化する事への本人の意思が必要じゃ」

マルコス・ボーロ:「離せヨォ、早くゲームの続きやらせろ!『大乱行ふんどしブラザーズ』で、プロゲーマーになれなかったらお前らのせいだヨ!」

上杉雲双:「本人の意思か、それが一番難しそうだな。コヤツは殴っても無駄な様じゃ、これまでか。……ん?」

 

 

タッタッタ

ウマミ・スー:「カケヨさん!そっちに行っちゃダメ!!」

かつのカケヨ:「今、私の旦那がこっちに向かって走って行くのを見たのよ!間違い無いわ。あっ、ボロちゃま!!あなた達、ボロちゃま に何をしているの!」

すぐにスワル:「カケヨ、お主の旦那は選ばれし者なのじゃ。しかし、当人にその自覚が無くてのぉ。お主からも何とか言ってもらえんだろうか…」

かつのカケヨ:「嫌よ、ボロちゃまを危険な目に遭わせないで!」

マルコス・ボーロ:「カケヨ!腹へったヨ、朝から何も口にしていないんだヨ。何んとかしてくれヨォ」

 

 

 

 

 

 

 

声:「おい、小僧!!」

チェリー・サワタ:「プロゲーマーってのはイカしたカッケェ奴らなのか?」

 

マルコス・ボーロ:「当たり前だろ!!!この世で一番イカしてるヨ!」

 

チェリー・サワタ:「そうか。お前、サブロー・スズキを知っているか?遠い異国の地でベースボールというスポーツでスーパースターに成り上がった男だ」

 

マルコス・ボーロ:「知らないヨ!それが何だって言うんだヨ」

 

チェリー・サワタ:「彼は超一流のプロフェッショナルであるが、彼は自分よりも自分の奥さんの方がプロフェッショナルだと言っていた…。そう、彼女の存在がなければ常に万全の体調を保てないからだ。つまり、彼は奥さんを最高にリスペクトしてるってわけだ。お前の様な甘ったれのワガママ坊やにプロフェッショナルは無理だ!get,out!!!」

 

マルコス・ボーロ:「ムキーッ!言わせておけば!お前ダレだヨ、腹たつなぁ!!」

チェリー・サワタ:「それでは聴いてください、新曲『ハイウェイ・モンスター』!!」

※英語は雰囲気だけ味わってくれ

「one,two,three,four、one,two,three,four♪」
(1、2、3、4、 1、2、3、4)

ピィ〜ヒャロヒャロラ    ピッピッピヒャロラ〜♪

「How long have you been in the dark?」
(どれぐらい長い時間、暗闇の中にいたんだ?)

「Is there the answer there?」
(暗闇の中に答えはあったのか?)

「Don’t turn your eyes away from reality, there must be someone who needs you」
(現実から目を背けるな、お前を必要としている人がいるのだから)

「I know that you have a monster in your heart!」
(俺は知っている、お前の心の中に怪物がいることを!)

マルコス・ボーロ:「なんだか分からないけどメラメラして来たヨ!このデカイのをぶっ飛ばせば良いんだな!」

かつのカケヨ:「ボロちゃま、怪我するわよ!!」

マルコス・ボーロ:「カケヨは黙ってて!これは漢の闘いなんだ!」

ピィ〜ヒャロヒャロラ    ピッピッピヒャロラ〜♪

 

チェリー・サワタ:「come on!」(来いよ!)

「Bare your fangs, monster!!」
(牙を向け、モンスター!!)
「Reveal your true self♪」
(本当の姿をさらけ出せ)

「Bare your fangs, monster!!」
(牙を向け、モンスター!!)
「The world is filled with lies♪」
(どうせ嘘ばっかりの世の中さ)

「Keep up somehow, Monster!!」
(食らいつけ、モンスター!!)
「To protect your loved ones♪」
(大切な人を守るために)

「Keep up somehow, Monster!!」
(食らいつけ、モンスター!!)
「This is your own fight♪」
(これはお前自身の闘いだ)

※作詞作曲:チェリー・サワタ

ヤミノ・ペイメイ:「今じゃ、呪術をかけるぞ。カシマシカシマシ…タマ…キン…トリオ…黄門…水戸の…御老公…カァ!!」

 

 

 

 

 

ドンッ

かつのカケヨ:「ボロちゃま!」

チェリー・サワタ:「いけぇ!超大型マルコス・ボーロ!」

 

シタ・タカ:「なんだテメェ!!夜黒龍よ、ぶっ飛ばせ!」

夜黒龍:「オラァ!」

 

マルコス・ボーロ:「せいや!!」

 

ボフッ

夜黒龍:「な、なんだと!しまった!」

シタ・タカ:「馬鹿野郎!」

ドテッ

すぐにスワル:「大丈夫か!アカシ」

メザメノ・アカシ:「うぅ…タツオ先生に『で〜ぶランニング』のリセットを託している…。成功すれば大爆発が起きて『で〜ぶランニング』ごと、夜黒龍も消え去るだろう…皆んな、もう少し頑張って耐えてくれ…」

一同:「!!」

ヒノキダ・ゲンコク:「ものすごい状況じゃな、皆んな死ぬ気で奴の進行を止めるんじゃ!」

 

シタ・タカ:「チッ、お遊びはここまでだ!この夜黒龍は元々がコンピューターウィルスの一種。何が凄いかって?分裂して数を増やすことが出来るんだよ!5分程度なら3体まで増やせるぜ!夜黒龍よ、やるぞ!!」

 

 

ドロンッ!!

夜黒龍:「オラァオラァオラァ!!」

かつのカケヨ:「ボロちゃま!!」

ヒノキダ・ゲンコク:「勝負あったようじゃ…。もうワシらには何も出来ん」

すぐにスワル:「タツオよ、我々の命は勿論のこと、お主次第でこの島の未来が決まる」

メザメノ・アカシ:「ダァツオせ、せんせい…」

シタ・タカ:「危なかったな、まさかこんな奴がいるとは。夜黒龍!時間がない、バナナ社に向かえ。『で〜ぶランニング』に近づく奴を消せ!」

 

 

 

 

※バナナ社地下、人工知能『で〜ぶランニング』管理室

いつもタツオ:「これが『で〜ぶランニング』か!人工知能と聞いてもっと機械っぽいのかと思っていたが、何だか生々しくて下品じゃな。しかし、本当にこのマイクロチップが挿さるところなどあるのかのぉ。まっ、死んでも使うことは無いが興味は湧くな、覗いてみるか♪」

(考える時間は、たっぷりあるな。ここを脱出した後でどうやって逃げのびようかな…それに吾輩の弟子達や村民の亡骸を見たくないからのぉ)

 

「そうだ!一目散に海に向かって走るぞ、船で島外へ逃げよう!先住民族の乗り捨てた船がある筈じゃ。吾輩は天才じゃ」

(何だか不安定な階段だな、設計ミスかのぅ。うわぁ間近で見ると不気味じゃ)

 

 

コツンッ

 

 

「おっとっと」

ヨロヨロ

ブスッ!

 

「ああああああああぁぁぁぁぁあああああ!!!」

いつもタツオ:「死んだ!嘘でしょ!」

ぷぅ〜

 

いつもタツオ:「オナラ?大爆発ってこれのことじゃったのか!」

いつもタツオ:「アカシって結構下らない趣味の男なんじゃな…はぁ何だか疲れたわい」

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-ナレーション-

タツオが拍子抜けしている一方で、確実にリセットの効果は出ていた。

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ヒノキダ・ゲンコク:「なんじゃ!夜黒龍の様子が…どんどん縮んでいくぞ!!」

メザメノ・アカシ:「ついに…やったか。リセットに成功…した」

ヤミノ・ペイメイ:「シタ・タカが落下したぞ!美術館の玄関前だ、逃すな!早く捕まえるんじゃ!」

ペイン・ポスギ:「待ってました!オレ様が取っ捕まえる…あり?力が出ねぇな?」

カマクサ・ムシロー:「全裸男!お前は忍術の使い過ぎだ、ここは俺らに任せろ!」

 

村民:「シタ・タカがいたぞー!!」

ボカスカッペチン!!ペチン!!

シタ・タカ:「ヒャメテー!!」

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-ナレーション-

こうして夜黒龍は消滅し、遂に黒幕シタ・タカは取り押さえられたのである。

ただ、一点だけ誤算があった。

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いつもタツオ:「一応やる事はやったし♪吾輩は英雄じゃ」
(まぁ、もしかしたらリセットに失敗したのかも知れんが、もはや吾輩の知ったことか♪英雄としてこの時の心境を詩に残しておくかの)

 

 

この世をば  我が手のひらに 委ねられ
後の勇者と  崇められける

 

「なんちって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

ドカアァァァン!!

 

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-ナレーション-

そう、ただひとつの誤算とは、リセット開始から爆破までのタイムラグが思ったより長かったことであろう。『で〜ぶランニング』から排出されたガスが充満するまでの時間を見越して、着火までの時間差を設定してあったのだ。

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皆の衆:「タツオ先生、ありがとうございました…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が恐妻:「あんた早く起きなさいよ!」

ペチンッ

俺:「なんじゃ!吾輩に向かって何という口の利き方を!廊下に立っとれぇ!」

我が恐妻:「はっ?何わけわかんねぇこと言ってんだよ!しかも何、その喋り方?頭おかしいんじゃないの!とっとと飯食って会社いけ、1円でも多く稼いで来い!」

俺:「う〜む。夢だったのか……」

 

-おしまい-

・最後まで読んでくれてありがとうございました!!また遊びにきてね♪

うさん村『村民ガイドブック』いつもタツオ ウマミ・スー イチモツ・コタロー ...
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ハシバ・トヨキチ
『ようこそ!うさん村へ』編集長のハシバ・トヨキチです。 余暇を使ってギャグコンテンツを作っています。当サイトでは仮想の村『うさん村』を題材に、4コマ漫画や暮らしに役立つ情報まで幅広く発信しております。